Intelと内田洋行の考える「児童1人に1台のPC」

IntelのClassmate PCが日本にもやってきました。
インテルと内田洋行、「児童1人に1台のPC」活動を拡大実施──小学生の英語必修化と学習レベル向上に向け
以前に紹介したものは第2世代でしたが、これは第3世代のタブレットPC版です。
写真と動画で見る「インテル クラスメイトPC」
インストールされているのは、国語と算数の学習ソフト「小学館デジタルドリルシステム」と内田洋行が開発した英語学習ソフト「ATR CALL BRIX」です。
かつてアラン・ケイは、教室に導入されたパソコンを見て、それを「カーゴ・カルト(積荷信仰)」になぞらえました。カーゴ・カルトとは、第二次世界大戦中に米軍の軍需物資で潤った南方の島民が、戦争が終わり米軍がいなくなっても、再び神から贈り物が届けられることを願い、木や葉で飛行機や管制塔の模型を作って祈ったことを指します。
パソコンは飛行機の模型に過ぎず、それをただ導入しただけでは意味がありません。シーモア・パパートが言うように「コンピュータに子供をプログラムさせたいのか。それとも、子供にコンピュータをプログラムさせたいのか」を考える必要があります。恐ろしいのは、アニメや音楽を多用したCAIによって与えられる受動的な楽しみに子供も先生も保護者も満足してしまい、本来コンピュータが持っている可能性に気づかなくなってしまうということです(アランさんは、これを美味しいけれども栄養にならないジャンク・フードと呼んでいます)。私は、アニメのキャラクタを用いたCAIを使っている現場を見たことがありますが、子供たちは「問題」にも「答え」にも「なぜそうなるのか」にも興味を持っていませんでした。関心があるのはアイテムをゲットしてステージをクリアすることだけ。選択肢をランダムに選び、失敗したらリトライの繰り返しです。
自らものを作り出す過程において学ぶという構成主義の考え方は、短期的な「英語必修化と学習レベル向上」には結びつきません。しかし、長期的に見て、コンピュータを使ってなにを行うべきかをよくよく考える必要があると思います。