日本語にも対応したScratch 1.3

Scratchからこんにちは

以前に何度かMIT Media Labが開発しているScratchを紹介しました。
ミッチさんの話
ロボットWatchの記事
先日、この最新版の1.3がリリースされました。
Scratch 1.3 Release Notes
1.3には、リスト(普通の言語で言うところの配列。LISPのlistとは異なる)や、文字列の代入と比較など面白い機能がたくさんあるのですが、日本人にとって最もありがたいのは、ついに日本語の表示と入力に対応したことでしょう。
今回は日本語だけでなく、多バイト文字を使うものや、アラビア語のように右から左に書くもの(RTL)など、従来のものと合わせて、一気に42の言語に対応しました。言語の切り替えは任意のタイミングで行うことができ、どの言語で書かれた作品であっても、希望する言語で表示することが出来ます(スクリプトやコスチューム、変数などの名前を除く)。これにより、子供たちはWebに掲載されている20万個を超える作品を開き、それを改良(リミックス)してアップすることが可能になります。言語切り替えには、漢字だけでなく、ひらがなも用意されているので、小さな子でも大丈夫です。
また、ドキュメントの翻訳も有志により進められており、すでに幾つか公開されています。
日本語 / Japanese - Scratch Wiki
まだ数が少ないですが、これから増えていく予定です。
今回の日本語対応により、学校の授業やワークショップなどでScratchを使うことが容易になりました。教育用言語として、世界中に広まりつつあるScratchですが、これからは日本でも普及に拍車がかかると思われます。すでにCricketやMindstormsを使っている場合は、スムースに導入できるでしょう。
Squeak Etoysとの比較では、確かに被るところもあるのですが、Scratchはどちらかというとゲームやアニメ、音楽を志向しており、EtoysのReal Science and Real Mathを目的とするシミュレーション向きの機能や、パーソナルダイナミックメディアとしてのメタな側面が減じています(一見すると違いが分かりにくいですが、ある程度使っていくと見えてきます)。その意味で、ScratchがEtoysを置き換えるのではなく、これからも目的に応じて共存していくことになるでしょう。Etoysも近々新バージョンのリリースが予定されています。

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